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芥川賞はゴールなのか

日本で(恐らく)最も有名な文学賞である芥川龍之介賞

 

今回は山下澄人さんの「しんせかい」が受賞しました。
 
あまり文学だとか小説に興味のない人からすると
 
芥川賞=有名=すごいあるいは国内文学の最高峰である文学賞
 
だと思ってるかもしれないので少し説明しますと
 
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よくあるご質問

Q. 芥川賞直木賞の違いを教えて下さい。
A. 芥川賞は、雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文学の中・短編作品のなかから選ばれます。直木賞は、新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本(長編小説もしくは短編集)が対象です。
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要するに、新人賞ってことです。
なので「今年の日本文学の最高峰作品」を決める賞とかではないわけです。いや、獲ったらすごいことですよ?でも多分よくわかってない人が認識してる「すごさ」とはかなりギャップがあるすごさだと思います。
 
ちなみに「純文学」っていうのは「芸術性のある小説を書こうと頑張ってる人たちのジャンル」程度の認識でいいと思います。
 
 
あと、「こんなやつに賞をとらせるなんて、話題性重視にするなんて芥川賞も地に落ちたな」なんて言ってる人もネット上にはゴロゴロいますが、(気になる人は「芥川賞 地に落ちた」、「芥川賞 権威 落ちた」で検索)そもそも、設立者の言葉を借りると「むろん芥川賞直木賞などは、半分は雑誌の宣伝にやっているのだ。そのことは最初から明言してある」なんです。
 
つまり「来てる新人作家の紹介をするついでに雑誌の宣伝もしよう」というものです。
だから、今の芥川賞も最初の意思はしっかり貫いてるんじゃないかなって思います。そもそも、どんな分野の新人賞にもその分野全体における権威とかそこまでなくね?って話な気がしますし。
いやね?「この人新人作家って呼んでいいの?」っていう人が受賞していたりもしているけどそこら辺は気にしなくていいんじゃないですかね。
 
まぁなんか話が逸れたような気がするので本題に入りますけど、ずっと気になってたんですよね。
 
 
芥川賞取ったら人生勝ち組になれるのか」
芥川賞取ったらゴールになるのか」
 
 
って。
 
普通に素人考えで行くと印税ガッポリでたまに小説書きながら遊んで暮らせるんだろうなという発想にしか至らないのでね。気になるじゃないですか。もし印税生活で遊んで暮らせるようなら僕も「障子をちんこで突き破って、部屋にいる女性に(ちんこに)本をぶつけられて快感を感じた。」みたいな小説を書いて遊んで暮らしたいんで。
※某元都知事の受賞作にこのような表現があります。一覧の赤字の人です。
 
なので色々調べてみました。
 
まず、歴代受賞者の中から「今でも本屋で見るなぁ」、「今でも表立って執筆活動してるなぁ」と思う人、要するに「作家として飯食えてるよなぁ」って人をピックアップして一覧にしてみました。
ちなみに僕はIQ3以下で且つ教養のないカスなので「この人がいねーぞ!バカか!死ねや!」ってなってもご容赦ください。
 
 
以下がその一覧です。
見方としては、左から「第何回」、「西暦(E=上半期、L=下半期)」、「作家名」、「作品名」、「掲載誌」の順です。
 
022(1949L) 井上靖 闘牛 文學界
025(1951E) 安部公房近代文学
028(1952L) 松本清張 或る「小倉日記」伝 三田文学
033(1955E) 遠藤周作 白い人 近代文学
038(1957L) 開高健 裸の王様 文學界
039(1958E) 大江健三郎 飼育 文學界
050(1963L) 田辺聖子 感傷旅行センチメンタル・ジャーニィ 航路
059(1968E) 丸谷才一 年の残り 文學界
061(1969E) 庄司薫 赤頭巾ちゃん気をつけて 中央公論
078(1977L) 宮本輝 螢川 文芸展望
104(1990L) 小川洋子 妊娠カレンダー 文學界
115(1996E) 川上弘美 蛇を踏む 文學界
116(1996L) 辻仁成 海峡の光 新潮
123(2000E) 町田康 きれぎれ 文學界
130(2003L) 金原ひとみ 蛇にピアス すばる
138(2007L) 川上未映子 乳と卵 文學界
146(2011L) 円城塔 道化師の蝶 群像
146(2011L) 田中慎弥 共喰い すばる
153(2015E)羽田圭介 スクラップ・アンド・ビルド 文學界
153(2015E) 又吉直樹 火花 文學界
154(2015L)滝口悠生 死んでいない者 文學界
156(2016L)山下澄人 しんせかい 文學界
 
 
 
はい。「作家として飯食えてるよなぁ」と思う人は以上の29人です。
 
芥川賞受賞者の総数は現在156回。その中で賞が送られた人は164人。
 
164人中29人ってことです。
 
これじゃわかりにくいからパーセンテージにするよ?
 
29/164×100=17.7%
 
 
 
17.7%?
 
 
 
えっ!すくなっ!ロマンもクソもねーじゃん!
 
 
 
しかも
 
116(1996L) 辻仁成 海峡の光→歌手。「愛を ください WOWWOW」の人
153(2015E) 又吉直樹 火花→芸人。あとオシャンティー
154(2015L) 本谷有希子 異類婚姻譚劇団、本谷有希子の主宰。あと美人
156(2016L)山下澄人 しんせかい→俳優。劇団FICTIONの主宰
 
の4人に至っては専業作家じゃねーし。ある日突然「やーめたっ」って言っても全く生活に困らない人たちだし。
 
なので計算し直すと
 
(29-4)/164×100=15.2%
 
 
15.2%。絶望。なんだよこれ。無理じゃん。
 
 
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腰の辺りが冷たいと思って目を覚ますと寝小便だった。
布団に染みている。臭う。半分乾いているからだ。小学校のプールに併設されている普段は使われもせず、掃除されることもないトイレのような臭いがする。
股間のあたりを確認すると、この寝小便は、まぎれもなく俺がしたものだった。
 
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みたいな感じで始まる「寝小便日記」で一攫千金狙いたかったのに!無理じゃん!
 
はい。
完全に終わってる僕の脳内小説の話はここまでにしておいて、結論的には芥川賞を取ったからと言って人生勝ち組になるというわけではない」ということになりそうです。
 
というのも、最初の方にも書きましたけど芥川賞って「雑誌に載った作品」しかノミネートされないんですね。
しかも「週刊少年ジャンプ」とか「ダ・ヴィンチ」みたいな雑誌(挙げた雑誌を馬鹿にしているわけではないです)じゃなくていわゆる「純文学雑誌」みたいなのからしか今まではノミネートされていないわけです。
 
それってめちゃくちゃハードルが高いわけですよ。たとえ芥川賞がすごいとは必ずしもいえないとしても、ノミネートされた人(作品)はそうなった時点でパンピーからするとすごいわけですよ。
 
そのすごい人(作品)達の中から「よりすごい人(作品)」として選ばれた人でも専業作家としては15.2%しか成功していないわけですよね。
 
なので個人的には芥川賞を取ったからと言って人生勝ち組になるというわけではない」としたいなと思います。
 
P.S.
受賞者の中には現在「借金1億円の人」とか「生活保護の人」とかもいるそうです。やっぱり難しいもんですね。作家さんって。