WEBデブリ

WEB上のデブリです。

化学のテストとロックマン

高専の1年の時の化学の先生は面白い人だった。あと声がフリーザ様。
 
「お前ら、コーラ好きか?お前ら世代のコーラ好きはかわいそうなんだよ」
「なんでかって?今はペットボトルが主流だろ?あれじゃ本当の炭酸ってのは味わえないんだ」
「炭酸飲料ってのはな、ビンか缶が至高なんだ。あんなペットボトルに入った炭酸飲料はクソだ」
 
みたいなことを授業中に語りだしたりさ。フリーザ様の声で。つーかしゃべってる内容、美味しんぼ山岡士郎かよ。
 
「俺の研究室でダイヤモンド作れるんだ。純度が低いクソみたいなもんだけどな」
「見た目きったねえんだよ。純度の低いダイヤって。それを見ると、何カラットのダイヤで喜んでる奴らがバカに見えるぜ」
「このきったねえもんと何カラットのものって化学式上では変わらねえんだぜ?くっだらねえだろ」
 
とか言い出すわけよ。フリーザ様の声で。
 
 
そんな人が授業中に「テストで分からない問題があっても何か書けよ~。点数やるからな~」って言ったんだ。フリーザ様の声でな。
そこでテスト本番。なにを問われているのかすらわからない問題があったんだ。いやね、あの体験は貴重だと思うよ。日本語は読める。文章としても認識できている。でもさ、内容が1mmも理解できないわけ。言葉は通じているのに、意味が理解できない。恐ろしくもあり、とても不思議な体験だったよ。(恐怖は赤点へのもの)
 
でもさ「テストで分からない問題があっても何か書けよ~。点数やるからな~(CV:中尾隆聖)」この一言を思い出して、俺は書いたんだ。一生懸命書いた。そりゃあ一生懸命書くさ。これを書くことによって赤点免れるかもしれない。そしたら誰でも書くんじゃないかな。
 
 
 
まぁ、俺が書いたの、ロックマンの絵なんだけどさ。
 
 
 
 
それは結構な力作で、テスト終了後「いやー、一体何点くれるんだろうなー」とか期待してたわけよ。
 
そんでテスト返却当日。黒点への不安と期待の入り混じった、そう、例えるなら曇天と晴天の境界線みたいな複雑な気持ちで、名前を呼ばれるのを席に座って待っていた。
あの絵に加点されていれば、赤点は免れるはず!そんな微かな希望を抱いて。
 
 
 
 
「カトウ~(フリーザ様の声)」
 
 
 
 
名前を呼ばれて
 
 
 
 
 
「ひどい点数だぞ(フリーザ様がそう言う)」
 
 
 
 
 
用紙を受けとって、席に戻る。その俺の背中に
 
 
 
 
 
「お前、あれなんだ?バカかよ」
 
 
 
 
そんなセリフを吐くフリーザ様。席に戻り、ロックマンの箇所を確認すると、そこには
 
 
 
-1点の表記が
 
 
 
-1点の表記があったんだ
 
 
「確かに点数くれてるわ~」
 
って思った。ちなみに、-1点って、×の点数から-1点ってことね。鬼畜。
 
 
でもさ、絵のほうが力作だったので「先生!この1点で赤点になって俺が単位落としたらどうなるんですか!」って言ってやっただけど、赤点が50点なのに対し、俺の点数は18点だったからさ、無駄な足掻きだった。単位は落としたよね、当然。追試でなんとか取り戻したけど。