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会議で笑いそうになる時

俺は仕事で下水道処理場を作ったりします。

下水処理って基本的には微生物の力を借りて水をきれいにするんですね。

 

で、本当に一から出来た処理場にはまだその微生物がいないわけなんですよ。

じゃあどうするのか?他の稼働している処理場から持ってくるんです。「種汚泥」と呼ばれるものを持ってくるんです。

汚泥というのは、ウンコとかを処理した成れの果て、簡単に言うと「凝縮されたウンコ」のことですね。これから微生物を繁殖させていくので「種」、そして「汚泥」を併せて「種汚泥」と呼んでます。

その汚泥からどんどん微生物を繁殖させなきゃいけないんでヘボい種汚泥じゃダメなんですよ。

なので「良質な種汚泥」というものを持ってくるわけです。まぁいくら「良質」だと言っても結局は「汚泥」であり、突き詰めればそれは結局「凝縮されたウンコ」なわけですよ。「良質な凝縮されたウンコ」、つまり「エリートウンコ」って感じなんです。

それをお客さんとの会議でどこから持ってくるのか決めたりするんですよ。

 

「あの処理場の種汚泥はどうだ」

「いや、あそこの種汚泥はダメだ。良質じゃない」

「じゃああそこは?人もたくさん住んでいるし、適正なものなんじゃないか」

「あそこもダメだ。人がたくさんいるだけであって処理場の立ち上げには無理だ」

 

なんて話をするわけです。これ、結局は「エリートウンコ」の話ですからね。いい大人が、20人くらいでウンコの話を大真面目にしている。1時間も2時間も。なんだか面白くないですか?

しまいには「そもそも、良質な種汚泥の定義とは?」みたいなことを言い出す人もいて、もうワヤみたいになる。

これが、俺の会議で笑いそうになる時です。