【短編】怪獣ぽちは泣きながら街を壊す
ネット上での産声
スクリーンショットの落とし穴
こないだ、出勤途中に自販機でお茶を買ったんです。
130円のものを150円出して買いました。そうすると20円のお釣りが出てきますよね。
それがですね、出てこなかったんですよ!ムキーーーーー!っていう話ではなくて、お釣りを取るためにはしゃがまなくてはいけません。
そしたらね、落ちたんです。胸ポケットから俺のスマホ(Nexus5X)が!ガラス面を下にして!
ちょっと話は変わりますけど、スマホって往々にして画面を下に向けて着地したがりませんか?お前はバター猫のパラドックスにおけるバターを塗ったトーストかっ!って感じですよね。
いや、まぁ、恐らくそういう事実は特になくて人の記憶に残りやすいのがそういった場面なんだろうけどね…HAHAHA!ってことにしてこの話お終いにしようと思ったんですけどWikiちゃんと見たらトーストがバター面を下にして落ちがちだっていうのを真面目に研究してイグノーベル賞を取った研究者がいるとかいうので「えぇ…」ってドン引きしてます。
あとこの例えって理解できてる人います?結構気に入ってて、日常生活でも積極的に盛り込んでいってるんですけど「バター猫のパラドックスにおけるトーストかよ!」って言うと95割の確立で「はぁ?」とか「なに言ってんだこいつ?」とか「日本語しゃべれよ」とか「デブですね」みたいな顔されるんですよね。まぁ、気に入ってる本人も「伝わりにくすぎるの過ぎるのが唯一の欠点だな」って思ってるんですけど。えぇ、例えとしては本末転倒すぎる結果ですよね。
話を戻しまして。
スマホ落とした瞬間、「画面割れてんじゃね?」って嫌な予感はしたんですよ。
まぁ案の定ですよね。割れてました。画面、割れてました。
「こんなことがあったんですよー。とほほー」みたいな感じの内容でブログ書こうと思って昼休みにスクリーンショット取ったんですね。割れてますよって写真としてアップしようとして。
で、帰宅後その画像パソコンに取り込んだら、割れてないんです。画面的に割れてる部分が、割れてないんです。
「え?今まで白昼夢見てた?」って思ってスマホの画面見ると割れてるんですよね。そんで「白昼夢は見てなかったようだな」ってパソコンの画面に目を戻すと割れてないんですよ。
正直、意味わかりませんでしたね。「キツネかタヌキ、俺の部屋にいる?」って思って部屋の中を見渡してもなにもいません。
「怖いなー、怖いなー」って思ってパソコンの画面とスマホの画面を並べて見比べた時、「あっ」って気づきました。それもそのはず、スクリーンショットって「画面自体の画像を保存する」のではなくて「画面に映しているものを保存する」技術なんですよね。
悲しくなりました。「俺、アホじゃん」って悲しくなったのでベロベロになるまで酒飲んで眠りにつきました。
文明の利器に頼りすぎると、人間ダメになるという話でした。
街角写真を供養する。
写真ってのはすでに完全に生活に根付いている。
便利な時代だよな。今やほとんどの人が携帯電話を持っていて、それらには大体カメラ機能が備わっている。15年前には考えられなかったわ。こんなに写真やら動画やらが氾濫する世の中になるなんて。
街中には「ちょっとおもしろ」がたくさん転がっている。生活する中でそれを見つけた時「おっ」と思って1枚パシャリ、そんなことないだろうか。
街角のちょっと変なもの、たまたま立ち寄った店で琴線に触れたもの、あとで友人に見せようとして、SNSに投稿しようとして、忘れさられてそのままになっている、スマホの奥底で眠っている、そんな写真はないだろうか。
Googleフォトの整理をしていたらそんな写真が結構出てきたので供養的な感じでこの日記で紹介したいと思う。
後輩くんといっしょに秋田から仙台に帰ってきたときに立ち寄った「たいらん」というラーメン屋にいたマネキン。名札には「ルミコ」と書いてある。行きつけのスナックのママさんと同じなのが面白くて撮った。
3枚同時に。
盛岡市内にある神社の狛犬。雑というか適当というかほのぼのというか、絶妙な愛嬌があるのが面白くて撮った。江戸時代だか明治時代だかにパンピーが作って奉納したらしい。このクオリティで畏れ多いとか思わなかったのかよ。でも、一生懸命作ったんだろうなっていう気概が伝わってきて素晴らしい。
トロンみたいな自転車。それだけ。本当にそれだけ。最近中々見かけるタイプのチャリだよね。
スナックでL'Arc~en~Cielを知らないジジイが知ったかぶりして発言したときに口から出た言葉感がある看板。パン屋だった。COOPによく引っ付いている。
秋田市上下水道局のマスコットキャラらしい。の割に無茶苦茶気持ち悪くねーかって思ったので撮った。この写真に写っているのは「二男」、「三男」、「四男」なんだけど、近辺をいくら探しても長男が見当たらなかった。恐らくこの一家の闇は深い。
盛岡に近年できたSPORTS DEPOの看板。
赤地に白抜き部分が
NEWクラブ
合わなかったら
買い取ります
と七五調になっており、日本人の潜在意識にあるHAIKUの心を感じ取った。
2枚同時に。そして俳句つながり。山形県の天童あたりで催されたこども俳句コンテストの結果発表がなされていた。
猫の鈴風鈴の音と重なって
この句がとても気に入ったので撮った。なんて素敵な感性だろうか。寸評にも書いてあるけど、この、夏の一場面の感動を切り取って俳句にする感性は見習いたい。そしてこの子にはこれを忘れずに持っていてほしい。
2枚目はなんとも小学生らしくかわいらしい句だったので撮った。
この自販機から飲み物を取り出すときにアンパンマンがエグすぎることになるじゃねーかと思って撮った。こんなん、子供泣くんじゃねーの?
現場の近所にある落書き。完全にちんこであり、しかもかなりの巨根であることが伺える。あとパイパンだ。
近所をランニングしていたら見つけた謎のカラーコーン。こんなん深夜に遭遇したら怖くて声あげちゃうよ。
あと、なんかガッシュに出てきそうな見た目をしている。ヴィクトリームとかキース系列の見た目しているよね。
多賀城の環境ガイド人「エコ博士」の看板。「なんだこいつ?」感がすごい。こんなやつに環境に関してガイドされたくねーわ。結構至るところにこの看板があるんだよね。面白くない?
あと、このジジイが探検隊みたいな服着てんのも謎、とか思ってよく見てみると
、
ベルトをよく見てみると
ISOのベルトしてるんだよね。
なんだよそれ。ISO(国際標準化機構)のベルトとかこの世に存在すんのかよ。しかも、ISOって環境に関してほぼ無関係じゃねーか。わけわからなすぎるよ。
と、ここまで15枚の街角写真を紹介してきたけれど、どうでも良すぎる画像の陳列になってしまったね。
これ読んでくれた人たち、虚無的過ぎる時間を過ごさしてしまった。ごめん。反省はしないけどさ。
でも、街中の「ちょっとおもしろ」を発見する感性ってのは失いたくないので、これからもこういうどうでも良すぎる写真を撮りためては定期的にアップしていこうと思っている次第である。